サーバー管理に携わることになると「Tera Term」という名前を目にするかと思います。しかし、「なんだか難しそう」と感じたことはありませんか?
そこで本記事では、Tera Termとはそもそもどのようなソフトなのかの説明や、ダウンロード・インストール方法、バージョン確認の手順など、導入に必要な準備をわかりやすく解説したいと思います!
初心者の方でもスムーズに使い始められるように、わかりやすく説明していますので、この記事を読み終えるころにはTera Termのインストールが完了しているはずです!
それではさっそく、Tera Termとはどのようなソフトなのか詳しく見ていきましょう。
結論
Tera TermはWindows用のターミナルエミュレーター(文字だけでやりとりする「窓口」にあたるもの)です。
SSH、Telnet、シリアルポート通信などを利用してリモートでコンピュータに接続するためのソフトウェアです。テキスト(文字)ベースのインターフェース(窓口)を提供し、ネットワーク機器やサーバとの対話(遠隔操作)を可能にします。
Tera Termとは
ターミナルエミュレータのひとつ
「Tera Term(テラターム)」は、Windows上で動作するターミナルエミュレーターのひとつで、主にネットワーク機器の設定やサーバーとの通信に使われるソフトウェアです。1990年代に開発され、現在ではオープンソース(無料で利用できる)として広く利用されています。
ターミナルエミュレーターとは、コンピュータ上で仮想的に「端末(ターミナル)」を再現するソフトのことです。コマンドを入力してサーバーや機器に指示を出したり、逆にログや応答を受け取るといった操作を行えます。
Tera Termが選ばれる理由
Tera Termは日本発のソフトということもあり、日本語環境との相性が良く、また軽量で動作が安定していることから、多くのITエンジニアや電子工作の愛好家に利用されています。
特に以下のような場面で活躍しています
- ネットワーク機器(ルーターやスイッチなど)の設定
- LinuxサーバーとのSSH接続
- マイコンや開発ボードとのシリアル通信
- 定型作業の自動化(マクロ機能)
Tera Termは単なる「コマンド入力ツール」にとどまらず、通信や自動化の面でも頼りになるツールとなっています。
4系と5系の違い
5系は4系の強化版
現在Tera Termは4系(4.x)と5系(5.x)がダウンロード可能ですが、主な違いはUnicode対応の強化や最新OSへの適応、ユーザーインターフェースの改善など全体的な機能強化と利便性の向上にあります。
簡単に言えば、5系は4系の強化版となっており、今から開始する人は5系をダウンロード、インストールすることが推奨されます。
Unicode対応の強化
5系ではキー入力などのターミナル処理が全面的にUnicode化され、多言語環境での利便性が大幅に向上しました。これにより日本語や中国語など、異なる言語を同時に扱うことが可能になりました。
ユーザーインターフェースの改善
5系ではユーザーインターフェースもUnicode化され、システムロケール(OSに設定されている言語や国ごとの表記規則のこと)と異なる言語設定でも正常に表示できるようになりました。これにより、言語に関する複雑な設定を意識することなく利用できます。
SSHのrsa-sha2対応
5系ではSSHのrsa-sha2(RSA/SHA2)に対応し、RSA/SHA1がデフォルトで無効化された「Ubuntu 22.04」や「RHEL 9」、「Amazon Linux 2023」にもRSA鍵で接続できるようになりました。
設定ファイルの互換性維持
5系では設定ファイルもUnicode化されましたが基本的な互換性は維持されています。これにより、以前のバージョンから設定を引き継ぎつつ、Unicode対応の恩恵を受けられます。
比較表
項目 | Tera Term 4系 | Tera Term 5系 |
---|---|---|
Unicode対応 | 一部対応 | 全面対応(多言語同時利用可) |
ユーザーインターフェース | システムロケールに依存 | Unicode化によりロケール非依存 |
SSHのrsa-sha2対応 | 対応なし | 対応あり |
設定ファイルの互換性 | 旧形式(Shift JIS) | Unicode化(互換性維持) |
ダウンロード方法
それでは、「公式GitHubページ」と「窓の杜」から最新版(5系)のインストーラーをダウンロードする方法を紹介します。
※どちらも同じインストーラー(.exeファイル)がダウンロードされます
公式GitHubページ
スクロールし「Assets」欄から最新版のインストーラー(例:teraterm-5.4.0.exe)をクリック、任意のフォルダにダウンロード、保存します

窓の杜
一覧からTera Term(5系統)の右側「窓の杜からダウンロード」をクリックします

「teraterm-5.4.0.exeをダウンロードしています。」画面に遷移し、数秒待つとダウンロードが開始されるので任意のフォルダに保存します

インストール手順
インストールの手順を紹介します。インストールが完了すると、デスクトップやスタートメニューからTera Termを起動できるようになります。
ダウンロードした「.exe」ファイルをダブルクリックして実行します。

セットアップ言語の選択画面が表示されるので「日本語」を選択して「OK」をクリックします。

使用許諾契約書が表示されるので、内容を確認し「同意する」にチェックを入れて「次へ」をクリックします。

インストール先フォルダーを指定します。特に変更がなければ、デフォルトのままで「次へ」をクリックします。

インストールするコンポーネントを選択します。通常はデフォルト設定のままで問題ありません。「次へ」をクリックします。

Tera Termで使用する言語を選択します。ここでも「日本語」を選択し「次へ」をクリックします。

スタートメニューに登録するフォルダーを指定します。特に変更がなければ、そのまま「次へ」をクリックします。

ショートカットの作成や関連付けなど追加のタスクを選択します。必要に応じてチェックを入れ「次へ」をクリックします。

これまでの設定内容を確認し「インストール」をクリックしてインストールを開始します。

インストールが完了したら、「完了」をクリックしてセットアップウィザードを終了します。

起動方法
スタートメニューやデスクトップのショートカットに「Tera Term」「Tera Term 5」が表示されるので、クリックすると起動させることができます。


インストールしたバージョンの確認方法
自身のPCにインストールされているTera Termのバージョンを確認する方法を紹介します。
スタートメニューやデスクトップのショートカットから起動します
※新しい接続がない場合、「キャンセル」を選択してポップを閉じます



※例:Version 5.4.0

最新バージョンの確認方法
Tera Term自体には自動アップデート機能がないため、最新版がリリースされていないか自身でチェックが必要となります。
1.Tera Term Home Pageにアクセス
2.「現在の最新版は・・・です。」を確認
ダウンロード欄の「現在の最新版は・・・です。」の箇所を確認

3.自身の現在のバージョンと比較
Tera Termを起動して、上記で説明した手順で現在のバージョンを確認。数字が一致していれば最新、違っていれば更新が必要となります。

バージョンアップ方法
上書きインストール
- 任意のダウンロードページから最新版をダウンロード
公式GitHubページ:https://github.com/TeraTermProject/teraterm/releases
窓の杜:https://forest.watch.impress.co.jp/library/software/utf8teraterm/ - ダウンロードした「.exe」ファイルを実行
※旧バージョンは自動的に上書きインストールされます - 必要に応じてインストール時の設定を確認し「インストール」を選択して完了
※設定は引き継がれます。古いTera Termを削除する必要はありません
Tera Termでできること
Tera Termの主な機能を一覧で紹介します。
機能 | できること |
---|---|
シリアル通信(COMポート通信) | マイコンボード、ルーター、スイッチなどと接続して操作を行うことができる |
SSH接続(リモートログイン) | Linuxサーバーに安全にログインすることが可能 |
Telnet接続 | SSHと同様に、IPアドレスを指定してTelnet接続を行うことができる |
SCP/SSH SCPによるファイル転送 | サーバー間でファイルを安全に送受信できる |
マクロ機能(Tera Term Macro) | Tera Termにはマクロ機能があり、接続から操作までを自動化するスクリプトが作成できる |
まとめ
Tera Termはネットワーク機器に接続したり、サーバーへリモートアクセスして遠隔操作たりすることができるとても便利なソフトウェアです。
オープンソース(無料)で提供されており、導入も簡単なため、初心者の方でも安心して利用できるのが大きな特徴です。
今回は、Tera Termのダウンロード・インストール方法や、バージョン確認の手順について紹介しました。
この記事が、これからTera Termを使い始める方のお役に立てれば幸いです!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
