WindowsPCで画像やPDFの資料を確認している際に「この文字コピーできたら楽なのに……」と思ったことはありませんか?

そんなときに役立つのがMicrosoft PowerToysに搭載されているText Extractorです!

Text Extractorは、画面上のどこからでもテキストをコピーできるOCR(光学文字認識)ツールです。これを使用することで手入力の手間を省き、作業スピードを大幅に向上させることができます!

本記事ではText Extractorの基本的な使い方や注意点、活用例をわかりやすく解説します!

「OCR」とは、Optical Character Recognition(光学文字認識)の略で、手書きや紙に印刷された文字、画像ファイルに書かれた文字を、コンピュータで利用できるデジタルデータに変換する技術のことです。

Microsoft PowerToysをインストール

「Text Extractor」を使用するには「Microsoft PowerToys」をインストールし機能を「オン」にしておく必要があります。

下記の記事でMicrosoft Storeより「Microsoft PowerToys」をインストール方法を詳しく解説していますので未インストール場合はぜひ、ご覧ください。

Text Extractorの使い方3ステップ!

1.Win + Shift + T

Win(Windowsキー) + Shift + T」を押下してText Extractorを起動します。

画面が少し暗くなり、範囲選択モードになります。

2.マウスで文字が含まれている部分を選択

マウスで、抽出したい文字が含まれている部分(例:画像の一部やアプリ画面)を枠で囲むように選択します。自動的にOCR(光学文字認識)が実行され、テキストがクリップボードにコピーされます

※選択した状態でShiftキーを押しながらマウスを動かすと、範囲を固定したまま移動させることができます。

3.メモ帳やWordに「Ctrl + V」で貼り付け

メモ帳やWordなどのテキストエディタを開き「Ctrl + V」で貼り付けます。保存して完了です!

注意点

完璧ではない(重要)

OCR(光学文字認識)の精度は完璧ではないため「誤認識」が起きる可能性があります。特に重要なデータを貼り付けた後は、必ず目視で確認しましょう。

「51」→「引」のように数字と漢字が誤認識されたり、アルファベットの「o」と数字の「0」、形が似ている漢字などに誤認識されるケースがあります。

誤認識が発生した場合は、修正が必要となります。

背景をシンプルにする

画面が複雑(例:背景に模様がある)だと精度が下がるので、可能な限り白地や均一な背景で抽出することをお勧めします。

文字サイズ

文字が細かい(小さい)場合や抽出対象が低解像度だと誤認識が増える傾向にあります。ズームしてから抽出するなど工夫が必要になります。

空白が入る

貼り付けた後、空白(半角スペース)が多めに入ることがあるので整形・編集が必要になります。

一括で空白を取り除く方法

STEP1
OCR(コピーしたもの)をメモ帳に貼り付け
STEP2
「Ctrl + H」を押下して「置換」機能を表示
STEP3
半角スペースを「すべて置換」で取り除く

「検索する文字列」に半角スペースを入力し、「置換後の文字列」に何も入力せず「すべて置換」を押下します。

STEP4
全ての空白(半角スペース)が取り除かれる

活用例

Text Extractorの活用例をご紹介します!

非テキストデータから抽出

以下のような画像に含まれる非テキストデータから文字情報を抽出しデータ化することができます。

  • 写真に写った標識や文章
  • PDFビューワ(図表やインフォグラフィックの中の数字・説明文)
  • Webページの画像(ニュース画像など)
  • スキャンされた書類(名刺の住所や電話番号、領収書などに便利)
  • エックス(Twitter)などのSNSに投稿された画像内の文言
  • スクリーンショットの画像内の文言
  • メールや資料に貼られた画像内の文言

コピーできない画面から抽出

アプリのインストール画面やエラーメッセージ、ダイアログボックス、システムダイアログの内容も抽出可能です。

特にエラーメッセージは検索して調べる際に便利です!

※選択・コピー不可のダイアログボックス

※Text Extractorを起動し、選択・コピーが可能

リモートデスクトップで接続中の画面やゲーム内の設定項目など、通常は右クリックや選択不可でコピーできない場所からのテキストも抽出可能です。

また、電子書籍リーダーからも取得可能です(※著作権に配慮してください

YouTubeや動画の字幕を抽出

YouTube動画やオンライン授業、インタビュー動画、プレゼン動画、Zoom会議などの字幕を範囲選択してメモ帳に貼り付け、保存しノートとしてまとめておくことなどもできます。

設定

ショートカットキーの変更

Win + Shift + T」を押下しText Extractorを起動後(画面が暗転後)、画面上方に表示されるアイコンより「設定」を開くことができます。

「アクティブ化のショートカット」よりデフォルトの「Win + Shift + T」以外のキーに変更可能です。

Windowsキー、Ctrl、Alt、またはShiftで始まる、ショートカットキーを押下し「保存」を選択すると変更できます。

まとめ

Text Extractorは、画面上のどこからでもテキストをコピーできるため、手入力の手間を省き、作業スピードを向上させることができるツールです!

Microsoft PowerToysの一部として提供されており、高精度なOCR(光学文字認識)機能を無料で利用できます。

画像や表、グラフから必要な文字情報だけを抽出できるため、資料作成やデータ入力などに非常に便利です!

また、コピーできないエラーメッセージを抽出して検索に活用することも可能です。

手作業による入力の手間を省き、Text ExtractorのOCR機能で作業を効率化しましょう!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!