はじめに

GPUってよく聞くけど、結局何をするもの?」そんな疑問を持つかたもいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は初心者の方へ向けてGPUの基本を分かりやすく解説したいと思います。CPUとの違い、役割、仕組みについて理解すればPC選びやパーツのアップグレードにも役立つかと思います!

結論

GPUは画像や映像の処理を専門に行うプロセッサ(集積回路)のことです。
並列処理」に優れていることから、近年では科学技術医療AI(人工知能)開発にも活躍の場が広がっています。

GPUとは?

GPU(Graphics Processing Unit)は、画像や映像の処理を専門に行うプロセッサ(集積回路)のことです。パソコンやゲーム機に搭載されており、グラフィックの描画を高速に行う役割を持っています。特に3Dゲームや動画編集、AI処理などにおいて重要なパーツです。

例えば、ゲームをプレイするときに滑らかな動きや美しいグラフィックを実現するためには、膨大な計算が必要になります。こうした作業を効率よく処理するのがGPUの役目です。また、動画編集ではエフェクトの適用やレンダリング作業に活用されプロのクリエイターにも欠かせない存在となっています。

さらに、GPUはゲームや映像処理だけでなく科学技術の分野でも重要な役割を担っています。例えば、天気予報のシミュレーションや、医療分野ではCTスキャン画像の解析にも活用されています。近年では、AI(人工知能)のディープラーニングにもGPUが使われることが増え今後ますます活躍の場が広がることが期待されています。

CPUとの違い

CPU(Central Processing Unit)はパソコンの「頭脳」として動作し、直列処理に優れ、複雑なタスクを迅速に処理する能力があります。このことからあらゆる処理を「管理」する役割を担っています。
一方、GPUは「並列処理」に優れており、一度に大量のデータを「同時処理」できます。

項目CPUGPU
主な役割全般的なタスクの処理・管理画像や映像の処理
コア数数個〜十数個数百〜数千個
処理の特性直列処理(順番に計算)並列処理(同時に大量計算)
代表的な用途OSの動作、アプリ実行ゲーム、動画編集、AI処理

CPUは日常の計算をこなすのに適しておりOSやソフトウェアの動作を担当します。
一方、GPUは特定の処理を高速に行うために設計されているのです。

CPUとGPUの処理方式の違い

また、CPUは少数の高性能コアを持ちシングルタスクの処理能力が高いのに対し、GPUは数千個のコアを使って同時並行で処理を行います。これによりAIのニューラルネットワークの学習や、物理シミュレーションの計算など、大量のデータを一度に処理するタスクに適しています。そのため、ゲーミングPCだけでなくデータセンターやスパコン(スーパーコンピューター)にも搭載されています。

GPUの役割と活用例

GPUはもともとグラフィック処理を目的に開発されましたが近年では様々な分野で活躍しています。

  • ゲーム:リアルタイムで3Dグラフィックを描画し、スムーズな映像を実現
  • 動画編集:高解像度の映像をスムーズに処理し、エフェクトやレンダリングを高速化
  • AI・機械学習ディープラーニングの計算を並列処理し、モデルの学習速度を向上
  • 仮想通貨マイニング:膨大な計算を並列で処理し、効率的に計算作業を行う
  • 医療・科学計算:CTスキャン画像の解析や、気象シミュレーションなどにも活用

これに加えて、自動運転技術にもGPUが活用されています。自動運転車は周囲の状況をリアルタイムで認識し、迅速に判断する必要があります。この処理を行うためにGPUが画像解析やAIモデルの推論を担当し高速で安全な運転を可能にしています。

また、映画のCG制作や3Dアニメーションにも欠かせません。ハリウッド映画では巨大なレンダリングファームにGPUを大量導入しリアルな映像を作成しています。

GPUの基本的な流れ

GPUの仕組みは主に以下の3つの流れで構成されています。

  1. CUDAコア(CUDA:Compute Unified Device Architecture):GPUの演算処理の中核を担う部分です。CPUに比べて圧倒的に多くのコアを搭載しており並列処理能力の高さを実現しています。
  2. VRAM(Video RAM)GPU専用の高速なメモリです。画像データやテクスチャデータ、計算結果などを一時的に保存するために使用されます。VRAMの容量が大きいほどより多くのデータを高速に処理することができます。
  3. メモリバス:GPUとVRAMの間でデータをやり取りするための通路です。メモリバスの幅が広いほど一度に転送できるデータ量が多くなり、高速なデータ転送が可能になります。

GPUは、CPUから受け取った画像処理の命令を多数のCUDAコアで並行して処理します。処理されたデータはVRAMに一時的に保存され、メモリバスを通じてディスプレイに出力されます。

GPUに関する基本用語

現在はグラフィック処理だけでなく科学計算やAI処理にも利用されています。例えば、CUDAは研究者やエンジニアがプログラミングして専用の計算タスクを最適化できるようになっています。このようにGPUの性能を最大限に活用するための技術も日々進化を続けています。

まとめ

GPUはゲームや映像処理だけでなく、AI(人工知能)や科学計算など多岐にわたる分野で活躍する重要なパーツです。CPUとの違いを理解することでより適切なPC選びができるようになるかと思います!
これからGPUを選ぶ方は用途に応じた性能をチェックし、自分に最適なモデルを見つけてみてください!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!