RPAを使えば業務効率化が実現できると聞いたけれど、具体的にどのようなことができるのか疑問に思った方もいるのではないでしょうか。例えば、日々の単純作業に多くの時間を取られてしまうと、他の重要な仕事に集中できません。
RPAとはロボティック・プロセス・オートメーション(Robotic Process Automation)の略で人間が行うパソコン操作を自動化する技術のことです。今回はRPAの基本をわかりやすく解説いたします。これを読めば、業務の自動化による改善や時間短縮など効率化のイメージを持てるかと思います!
結論
RPA(Robotic Process Automation)は業務プロセスの自動化を実現する技術であり、特に定型的な作業やルーチンワークを効率化するために利用されます。
さっそくRPAの基本からみていきましょう!
RPAとは?
RPA(Robotic Process Automation)とは業務を自動化するための技術のことです。
人間が行う単純作業を自動化する技術
RPAはパソコンで行われる繰り返しの作業を自動化するソフトウェアのことで、特にバックオフィスの業務で活躍しています。具体的にはデータ入力やメールの振り分け、資料作成など人間が行っている作業を模倣することが可能です。
この技術が注目される理由は労働力不足の解消や業務効率化が求められているためです。
日本では少子高齢化が進み人手不足が深刻な課題となっています。そこでRPAを活用することで人間が行う必要のない単純作業をソフトウェアが担い、よりクリエイティブな仕事に人手を割くことができます。
たとえば、ある企業ではRPAを導入して従業員の手作業による月末の経費精算業務を自動化したところ、業務時間が80%削減され従業員はより付加価値の高い業務に集中できるようになったという例があります。
もう一度RPAとは何かをまとめると「人間が行う単純作業を自動化する技術」です。

ここまでRPAの基本についてお伝えしました。しかし、具体的な活用方法がわからなければ導入のメリットを実感することは難しいかもしれません。そこで次はRPAの活用事例についてみていきたいと思います。
RPAの活用事例
RPAの活用事例はさまざまな業種にわたります。
金融業界、製造業、医療業界など幅広い業種で活用されています。特に、事務作業の多い業種ではRPAの導入によって大幅な効率化が図られています。
金融業界
たとえば、銀行や保険会社では口座開設時の顧客情報の入力や請求書処理などの業務を自動化することで、業務効率を向上させています。
従来、担当者が手動で入力していた業務をRPAに任せることで、入力ミスが減少し業務のスピードも向上しました。
ある保険会社では保険請求の処理をRPAにより自動化したところ、処理時間が半分以下になり顧客満足度の向上につながったという実例があります。
製造業
製造業では生産管理や在庫管理のデータ入力作業を自動化し、リアルタイムでのデータ分析を可能にしています。
受発注処理なども自動化され人件費の削減と業務の正確性が向上しています。
医療業界
患者情報の管理や保険請求の処理を自動化することで、医療従事者の負担を軽減しています。

RPAの活用事例を通してわかることは、業務効率化の可能性が高いということです。
次はRPAを導入するメリットについてみていきます。
RPA導入のメリット
RPAを導入することで、以下のメリットがあります。
効率化
RPAの最大のメリットは作業時間の短縮です。人間が行うと時間がかかる定型業務をRPAで自動化することでスピーディーに処理でき作業時間を大幅に短縮できます。
精度向上
データの転記作業などは疲れや注意力の散漫によりミスが発生することがあります。RPAであればそのようなミスはほとんど起こりません。人間が行うと起きるうっかりによるミスの防止となり、業務の正確性が向上します。
また、RPAはプログラムされた通りに動作するので感情に左右されません。さらに、24時間稼働することが可能なので人間が対応できない深夜の作業も問題なく処理できます。
ある調査によればRPA導入によって従業員の負担が軽減され、ストレスが大幅に減少したとの結果が出ています。これにより従業員満足度の向上にもつながり、組織全体の生産性が向上しています。
コスト削減
人件費や、人間のミスによって起きるやり直しのコストを削減することができます。
また、業務プロセスの変更に迅速に対応できる利点もあるため、コストをかけずビジネス環境の変化に柔軟に適応することができます。

RPAを導入することで単純作業から解放され、より創造的な業務に時間を割くことができるようになります。
ここまでRPAのメリットについてお伝えしました。次は、RPAの導入に向けたステップについてみていきましょう。
RPA導入のステップ
RPAを導入するためにはいくつかのステップが存在します。
業務の特定
まず、業務の中から自動化できる作業を特定することが大切です。すべての業務をRPAに任せられるわけではないため、特に繰り返し作業が多い部分を見つけ出すことがポイントとなります。
RPAツールの選定
次にRPAツールの選定が必要です。
市場にはさまざまなRPAツールがあります。それぞれのツールには特性があるため、自動化したい業務の範囲、規模、システムの構成、予算など業務内容に適したものを選ぶことが成功のカギとなります。
例えば、ある中小企業では手軽に導入できるクラウド型のRPAツールを選択したことにより、初期コストが抑えられ短期間で業務効率化が実現できたという報告があります。
代表的なRPAの種類
種類 | 特徴 | 主な用途 |
---|---|---|
デスクトップ型RPA | 個人のPCにインストールして利用。 特定のユーザーの定型業務を自動化するのに適している。 他のユーザーやシステムとの連携は限定的。 | データ入力、レポート作成、ファイル整理、メール送信など、個人のPC上で行う繰り返し作業 |
サーバー型RPA | サーバーにインストールして集中管理。 複数のユーザーやシステムと連携し、広範囲の業務を自動化できる。 スケジュール実行やログ管理などの機能が充実していることが多い。 | 複数部門にまたがる業務プロセス、基幹システムとの連携、大量データの処理、夜間・休日など特定の時間帯の処理 |
クラウド型RPA | クラウド上で提供されるRPAサービス。 インストールやサーバー管理が不要で、比較的容易に導入できる。 Webアプリケーションとの連携が得意なものが多い。 利用量に応じた課金体系が一般的。 | Webサイトからの情報収集、SaaS型アプリケーションとの連携、部門を跨いだ簡易的なワークフロー自動化 |
ハイブリッド型RPA | デスクトップ型とサーバー型、あるいはオンプレミス型とクラウド型などを組み合わせたもの。 それぞれのメリットを活かし、より複雑なニーズに対応できる。 | 特定の部門ではデスクトップ型を利用しつつ、全社的な業務はサーバー型で自動化するなど、段階的な導入や特定のシステムとの連携強化 |
組み込み型RPA | 特定の業務システムやアプリケーションにRPA機能が組み込まれているもの。 そのシステム内での定型業務を効率化できる。 | CRM、ERP、会計システムなど、特定の業務システム内でのデータ連携や処理の自動化 |
AI搭載型RPA (IPA) | OCR(光学文字認識)、自然言語処理(NLP)、機械学習(ML)などのAI技術を搭載したRPA。 非構造化データの処理や、判断を伴うより高度な業務の自動化が可能になる。 | 手書き文字のデータ化、非定型フォーマットの帳票処理、顧客からの問い合わせ内容の分析と自動応答、例外処理の判断補助 |
テストと運用
RPA導入の最終ステップはテストと運用です。
導入前にしっかりとテストを行い、問題がないことを確認してから本格的な運用に移行することが理想です。これにより運用開始後のトラブルを防ぐことができます。
ステップを踏み、段階的に進めることでスムーズに自動化を導入することができます。
まとめ
今回はRPA(Robotic Process Automation)の基本、活用事例や導入のメリットなどをお伝えしました。RPAは人間が行う単純作業を自動化することで業務効率化を実現する技術です。
今後ますます普及していくと考えられ、AI(人工知能)との統合が進むことで、より高度な業務プロセスの自動化が可能になることが期待されています。また、RPAの導入が進むことで作業時間の短縮やミスの削減が期待でき企業はより戦略的な業務にリソースを集中させることができるようになります。
これからの業務効率化を考えるうえで、RPAは欠かせないツールといえるでしょう!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
